労働組合の作り方
1.憲法で保障されている
憲法は、第28条で労働者の団結権を保障し、労働組合法は、労働組合をつくること、さらには組合活動の自由を保障し、もし資本家・経営者が労働組合をつくったことの理由で組合員や組合役員を差別したり、解雇したりすれば不当労働行為で罰するとしています。
2.中心になる仲間づくりから
職場に労働組合がなく、新しく結成する場合には、少なくとも2人以上、できれば、その事業所の過半数の人たちが参加が望まれます。日頃から職場で多くの仲間とコミュニケーションを心がけましょう。
同時に、労働組合に組織する対象である労働者の経歴やものの考え方、そして家庭環境などを把握していきます。
そして、労働組合結成後の核になる中心メンバーを組織します。
3.相手を知ろう
つぎに、法務局へいって、その会社の登記簿謄本を取りましょう。関連会社があれば、すべての関連会社の登記簿謄本を取ります。これで取締役、代表者、業務内容をつかみ、同時にダミー会社のこと、下請企業の場合は親会社との関係、また、取引会社との関係も調べます。土地の所有の内容が分かるすべての登記簿謄本も取りましょう。
決算書や事業計画書などもできるだけ手に入れましょう。
労働者が何を要求しても、使用者側は常に「そんなカネはない」と断ってきます。労働者側は何も知らなければ、その言葉に騙されてしまいます。
例えば、仕事もしていない家族・親族を取締役にして高額な役員報酬を得ていたり、役員が個人で使っている高級車が会社所有であったり、役員の別荘が「従業員用保養所」になっていることなどは多くあります。本業と関係ない事業への投資がされていたりすることもあります。
4.組合つぶしに注意
今まで労働組合がなかったような事業所というのは、よっぽど労働条件が良かったのか、使用者側が意図的に労働組合つぶしをしてきたということです。
労働組合つぶしには様々な手段があります。
まず、組合づくりの中心メンバーを孤立させます。生活に困っている人や縁故が強い人などを脅して労組に入ることをアキラメさせます。「労組なんかに入ると査定が悪くなるよ。雇用が危ないよ」と言ったり、家族や親戚を使って「社長さんに雇ってもらって世話になっているのに、親の顔に泥を塗るのか」などと言わせたりします。
さらに、その中心メンバーに配転、出向、職種転換などを押しつけて、使用者への対抗心を弱めさせようとします。ツラくなって自己都合退職でもしてくれれば万々歳です。
たとえ組合が結成しても、こういったことがされると、労働者同士がバラバラに分断され、組合員のなかに労働組合に対する不信感や敵対心が広がります。
そして、使用者に手なずけられた組合員たちは、賃金や仕事など、わずかばかりのおこぼれと引き換えに、労働者の動向について会社側に情報を提供するようになります。
5.規約をつくる
組合規約をつくり、組合役員・執行部を誰にするか相談しておきます。一年間の予定を決めて、一年間の組合予算を計算し、必要な組合費を明らかにしておきます。割合でいうと賃金の2%、金額でいうと3,000円位が目安です。「安ければ良い」と考えがちですが、それではダメです。組合費をやたらとディスカウントすれば組合員の責任感も弱まり、活動も低迷します。必要な活動から組合費を逆算しましょう。育休中や傷病休中の組合員を無料にするのも望ましくありません。
また、労働組合の結成をどこかの行政官庁へ届け出なければならない、ということはありません。ただし、不当労働行為の救済申し立てを労働委員会に行なう際には、労働組合法による「要件」を満たしていなければなりませんので、その要件を満たしていることが望まれます。
要件は
・労働条件の維持・改善そのほか経済的地位の向上をはかることを主たる目的としていること(労働組合が政治活動をおこなうことを否定するものではありません)
・自主的であり、経営者側の「利益代表」が加わっていたり、経営者から必要以上に経理上の援助を受けていないこと。
などです。
6.職場の不満や要求を整理して要求書を作る
最初の要求では、労組と使用者の基本ルールを決める「基本協定書」の締結と、最初の「職場要求書」を提出します。 ここまでは、使用者側からの妨害を避けるために、水面下で進めていきましょう。
労働組合に加入する人は、仕事内容や低い労働条件に不満、将来への不安などの改善を求めています。結成の目的をはっきりさせるためにも、職場の不満や要求を整理し、要求書を作ります。
ふつう労働組合のないところは、賃金も低く、労働時間や勤務形態、残業の管理、昇給・昇格などについてデタラメであることがほとんどですから、要求の内容 については、個別のことを言い出すとキリがないでしょう。しかし、労働組合の結成時の要求は、できるだけ多くの労働者が同意できる問題にしぼった方がよい です。
例えば、「賃金を日給から月給制にする」とか「定期昇給制度の導入」「残業代の支払い」といったことです。他には、休憩室や食堂のことでもよいので、それらを整理し、スローガンをつくり、労働者全体の要求をつくりましょう。
7.組合結成大会をひらく
いよいよ結成です。日時や場所を決めて、組合結成大会をひらきます。規約や役員、予算、要求書について承認します。
大 会開催のお知らせと組合の加入届を組合員に配布します。大会前に加入届を回収します。これらはメール等でもかまいませんが、できるだけペーパーで作成し、 手渡しをしたほうが良いです。組合員の様子を把握し、組合結成への理解を求めるには、直接会ったほうが望ましいからです。
8.使用者に対して労組の結成を通告し団交を申し入れる
使 用者に対して労働組合の結成を通告し、要求書を提出して団体交渉を申し入れます。もし、使用者側が「労組を認めない」とか、「団体交渉を拒否」すれば、そ れは不当労働行為です。時に労働組合に対し、「社長の承認が必要だ」などと言う使用者がいますが、まったくの違法です。
話し合いで労使ルールを作り労使がお互いに責任を持つ、ということで労働者の自主性が高まり、使用者にとっても良いことになる、ということを理解しない使 用者も多くいます。そういう使用者のもとで労働組合を結成すれば、出向、配転といった嫌がらせを受けたり、ときには解雇されたりといった「犠牲者」が出る ことはさけられません。
もちろん、そのような違法に対しては徹底的に闘わなければなりません。
場合によっては、争いが長引き、一つの事業所では「労働者側が負けた」ように見えることもあります。しかし、そういう闘いをねばり強く続け、あらゆる職場・地域に広げていくことで、労働者全体の生活が改善され、社会の仕組みを変えていくことにつながるのです。
※詳細については、個別の事情に影響されます。実際に取り組む場合は、全国一般山梨までご相談ください。
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